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銀牙伝説WEEDオリオン』(ぎんがでんせつウィードオリオン)は高橋よしひろによる日本漫画作品。『銀牙伝説WEED』の続編として、『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)にて2009年7月24日発売号から連載開始。物語は前作最終話の数週間後から始まっている。前々作『銀牙 -流れ星 銀-』のような年月の間隔は無く、前作に直結した物語となっている。

ストーリー[]

奥羽軍は幾多の危険な闘いを経て、楽園・二子峠にて平穏な生活を送っていた。
そんなある日、突如として発生した大地震による奥羽山脈の火山爆発で楽園は壊滅的な打撃を被る(実際に奥羽山脈の火山地帯は存在する)。ウィードはメル、狂四郎と共に、他奥羽軍の面々は銀、赤目をそれぞれ先導に二手に別れ、二子峠からの脱出を試みる。そのまま大多数が消息不明な状態となった。
この際、偶然群れとは別行動を取っていたウィードの次男・オリオンは叔父の誠の手により、なんとか一命を取り留める。だが、そんな彼の前に待ち受けるのは、奥羽軍壊滅によって秩序の乱れた過酷な犬社会との闘いであった。

主な登場キャラクター[]

新奥羽軍[]

オリオン(和系犬(秋田犬と紀州犬の雑種))
本作の主人公。ウィードと小雪の次男。容貌は赤褐色の毛並みで曽祖父のリキに瓜二つ。前作のラストにて大輔により命名される[1]。生後半年に過ぎない幼犬だが、成犬にも引けを取らない程に知力、体力、敏捷性に優れる。その一方で性格は荒っぽく、口がかなり悪い。正義感は強いが、強敵に向こう見ずに挑んでいく傾向が強く、実際その無鉄砲さから何度か命を落としかけている。野犬のボスとの初陣では勝利を飾っているが、この際は奥羽軍戦士の「殺さず」の掟に背いた面が伺える。
如月の「悪に生きる資格はない」の教えを実践する以蔵らと行動を共にする中でこうした傾向は強化されていったが、シリウスとの再会、カマキリ軍との戦闘を経て、父・ウィードや祖父・銀の持つ「優しさ」に向かう変化の兆しも現れている。
なお、作中では「熊犬」として語られているオリオンであるが、その点に関してはシリーズ初期の設定から考慮すると若干の疑問が残る[2]
平造(へいぞう)
福島県出身の野犬。奥羽崩壊に伴い、縄張りを広げようと企んでいた鼻白慎吉の魔の手から家族を救ってくれたオリオンに深い恩を抱いている。群れの長老が幼いオリオンの護衛役を募った際、自らそれに志願し、オリオンの旅路に同行。何かと暴走気味な行動に出るオリオンを制し、その都度手を焼かされる苦労人(犬)だが、小十郎からは「今時にしてはとても優しい心をお持ちの様」と評されている。
タイソン
平造と同じ群れに属していた野犬。平造と共にオリオンに同行。
佐助(さすけ)(柴犬)
柴犬の奥羽軍戦士。被災時にはウィードの子供らや誠共々、奥羽から離れていたため難を逃れている。オリオンを除くウィードの子供達を保護していたが、彼らが独断で別行動を取ってしまい離れ離れに。白申らと遭遇後はベラを安全地帯へと匿い、哲心との合流後は道案内役としてオリオンと共に甲賀に向かう。
以蔵(いぞう)(ハスキーとマラミュートの雑種)
元陸奥の四天王の一人、如月の長男。父譲りの勇猛さと知謀を合わせ持つ義侠心に厚い性格。弟に周作(しゅうさく)、晋作(しんさく)、一生(かずき)、美羽(みう)、伝七(でんしち)、三郎(さぶろう)らを持つ。青森県付近を所領していたため、双子峠の火山爆発の被害はほとんど受けなかった。
遭難していたベラの救出の際に、黒脛巾一党と遭遇。その後、地元にいったん帰還した際、父・如月や妻子を含めた血族を黒脛巾組に皆殺しにされたことを知り、兄弟たちと共に黒脛巾組が陣取る奥羽に乗り込むことを決意する。
この際、同行を希望したオリオンに命の温かさを伝え、奥羽軍戦士の在るべき姿と奥羽軍総大将の役目を説いた。オリオンを巻き込むまいと、オリオンを平造とタイソンに託し決死の潜入を試みる。無事潜入成功後は、父の仇・正重と交戦するも劣勢に陥り、予想外のオリオンの乱入もあって撤退を余儀なくされる。知略(雪崩)によって辛くも窮地を脱したものの、これにより晋作、一生は命を落としてしまった。
その後、周作たちは平造の故郷である福島県の群れを護る為に残留。以蔵自身は「栃木のジャック」こと哲心と合流し、オリオンの鍛錬のために甲賀へと同行する。
哲心(てっしん)(甲賀忍犬)
甲賀忍犬、黒邪鬼の血を引く奥羽軍戦士。双子峠の災害に巻き込まれたものの、(経緯は不明であるが)無事生還を果たす。
その後は「栃木のジャック」を名乗り、黒脛巾組に対抗するための戦力を集めていた。(しかし、全国にネットワークを持つ正宗には奥羽軍の幹部で忍犬黒邪気の子、哲心であることが把握されていた。)オリオンと合流後は、オリオンの熊犬としての素質を見抜き、鍛錬のために自分の養父である甲賀の長老の元へと送ることに。なお、部下の甲賀忍犬は甲賀に帰郷していたが、マテウスらに追い出され死者も出ている。
銀やウィードが不在の為、現在の奥羽軍の指揮権は実質彼にある。
白申(しろざる)(紀州犬)
元伊賀忍犬の頭、赤目の孫を自称。奥羽軍壊滅の噂を聞き遣って来た。彼曰く、赤目は伊賀と甲賀の争いは自分の代で終わらせると誓っており、彼らの父母(つまり赤目の子供)で生後半年に満たないものは人間の飼い犬として里子に出されることになり、生き残る事が出来たと言う。一人称は「私」で古風な口調で話す。ウィードよりは年上と推測されるが、銀が築いた奥羽の楽園の盤石時代に出生してることから、まだ若犬である。奥羽軍の主力として扱われているが、哲心復帰後は指揮権を譲り控え目な行動をとっている。
無有(むう)(紀州犬)
同じく赤目の孫を自称。白申の弟で毛並みは黒。一人称は「拙者」。ベラを保護した後、自分の飼い主の元に匿うために一時奥羽軍から離脱している。
羅々(らら)(紀州犬)
同じく赤目の孫を自称。常に敬語で話すが一人称は「わし」。無有と共にベラを伊賀方面に逃がす。
ボン(ジャーマン・シェパード・ドッグ)
政宗の重臣マテウスの息子。幼犬ではあるが元マテウス軍のNO2であった。甘やかされているためか部下などに横暴な態度を取るが、物怖じせず張り合ってくるオリオンに対しては友情を感じている。

カマキリ軍[]

シリウス(和系犬(秋田犬と紀州犬の雑種))
ウィードの長男。その名前は狩人オリオンの連れる猟犬を指し、おおいぬ座1等星の「シリウス」に因んでいる。毛並は銀色の虎毛で、幼い頃のウィードや銀によく似ている。
オリオンや他の兄妹と逸れ、雪山で力尽きていたところをカマキリの息子達に捕まってしまう。当初は「何か情報を持っているかも」といった程度の思惑から生かされていたが、その後は高い洞察力や戦闘力を見せカマキリ兄弟からも一目置かれるように。心まで悪党になった訳ではないが、自分を救ったカマキリ兄弟に対する恩義を強く感じ、彼らの部下として行動を共にしている。
四国にて、カマキリ軍として奥羽軍と交戦。圧倒的劣勢に追い込まれながらもカマキリを最後までかばい続け、その一貫した他者を思いやる姿勢は、それまで容赦のなかったオリオンの心境に変化をもたらす。
奥羽軍に完膚なきまでに敗北した後も、オリオンから決別の意を告げられながら、カマキリ軍としてカマキリ兄弟と共に同じ道を行くことを決意。曰く「カマキリが歪んでいることを承知しているからこそ、自分が傍にいてやらなくては」とのこと[3]
名前の由来や本作のタイトルからも、長男でありながら脇役に甘んじていることが見て取れる。しかし、銀、ウィードから受け継いだ優しさにより、主人公であり弟である、闘争的で時に残酷にもなるオリオンに欠けたものをもつ存在として対比されている。
カマキリの息子達
前作に登場した法玄軍の幹部、カマキリの子。総勢3匹で皆、父であるカマキリによく似た容姿だが、毛色が異なり性格もそれぞれ個性的なため判別は容易。なお、彼らによると、前作で最終的に生死不明のまま物語から姿を消したカマキリは既に死亡しているとのこと。
楽園崩壊に乗じて、黒脛巾の名を利用し戦力を募り奥羽を狙っていたが、本物の黒脛巾組が制圧に乗り出したためにシリウスを連れて奥羽を放棄。広島県に戻って部下の訓練を行う中でシリウスを兵士として育て上げ、四国侵攻を実施する。しかし、奥羽軍と山彦の合同軍に圧倒されて軍団は崩壊。シリウスの必死の説得により一命を取りとめ、命からがら四国の地を後にした。
赤カマ
長男。カマキリ軍の実質的なボス。兄弟の中でも一際血の気が強く、仲間である部下にも容赦のない乱暴な態度で接しているが、一方で弟思いな一面も合わせ持っている。
カマ次郎
次男。三兄弟の中でも冷静で落ち着いた物腰。兄の行きすぎた暴行に歯止めを利かせるといった面も。山彦戦で重症を負わされる。
黒カマ
三男。次男同様にどちらかといえば穏やかな性格。

リゲル一行[]

リゲル(和系犬(秋田犬と紀州犬の雑種))
ウィードの三男。オリオン座の1等星である「リゲル」から取られた名前。黒い毛並の持ち主。(出会いの経緯などは描かれていないが)輝宗と行動を共にし、戦地を離れ逃亡。
ウィードの息子だけあってオリオン、シリウス同様に身体能力は高い。逃亡中は輝宗の師事の元、己の実力に磨きをかける。自身の師であり、野生で生きていく術を学ばせてくれた輝宗を「じいちゃん」と呼び強く慕っていた。
小鉄(紀州犬)
ウィードの妻、小雪の弟でオリオンらの叔父に当たる幼犬。劇中では長らく生死不明の状況が続いていたが、黒脛巾組の刺客に追われるリゲルと偶然再会し、救出するという形で再登場。現在は黒脛巾組の幼犬兵力化活動に利用されている立場にある。
双子峠脱出の際に負ったと見られる、左目の火傷痕が特徴的。全くの子供であった前作と比べ体格、精神面が大きく成長している。
正重(まさしげ)
元政宗の側近で陸奥に居る以蔵たちの父・如月を含め妻、子供までも皆殺しにした。命令とは言え「嫌な役だ」と言っていた処をみると罪悪感は持っているようだった。何かと傲慢な政宗に対しては苦労している。
以蔵の雪崩作戦で部下を失いながらも生き残ったが、帰還後に敗走行為を政宗に咎められ、敗戦覚悟で奥羽軍にぶつけられる。自分を見捨てた政宗を罠に嵌め、哲心の抜刀牙により重症を負わせる。その後は雲斎(下記参照)に説法を説かれ、人(犬)のために生きる事を誓った。

旧奥羽軍[]

ベラトリクス (ベラ)(和系犬(秋田犬と紀州犬の雑種))
ウィードの子どもの内、唯一の雌犬で末っ子。同じくオリオン座の一星(ベラトリクス)から取られた名前。白申の兄弟と共に伊賀方面に逃れる。
ウィード(秋田犬と紀州犬の雑種)
前作の主人公。オリオン、シリウス、リゲル、ベラの父で奥羽軍三代目の総大将。前述通りメル、狂四郎と共に双子峠を脱出を試みるも、今のところその生死は他の二名共々一切不明。
銀(ぎん)(秋田犬)
前々作主人公。ウィードと誠の父で奥羽軍の二代目の総大将。オリオンの祖父。火山爆発から避難した後しばらく消息は不明であったが、人間によって小屋に閉じ込められ生き長らえていたことが判明。孫のリゲルと再会を果たすも現在は病床。
誠(ジョー)(秋田犬と紀州犬の雑種)
銀の次男でウィードの兄。サワガニ捕りに出かけたオリオンら4匹の子供達の監視役として佐助と共に同行。その際に楽園壊滅の噴火に見舞われる。シリウス達3匹を佐助に任せ、一匹別行動を取ったオリオンの救出に向かう。オリオンと深い崖下に転落してしまうが、活路を見出すため地下水脈の危険な濁流にオリオンを連れて自ら飛び込み、オリオンの命を救った。その後の生死は不明。
黒虎(くろとら)(甲斐犬)
魔犬甲斐の3兄弟の最後の生き残り。火山爆発によって奥羽の楽園を追われ、銀の群れで避難し生存が確認された。しかし、現在は人間によって群れの連中と共に小屋に隔離されている。銀が病床のため、群れの指揮は彼がとっているが、彼自身20歳前後の高齢であり、銀よりも3歳ほど年長である。
赤目(あかめ)(紀州犬)
元伊賀忍犬の頭で、後に銀世代の総大将の参謀となった戦士。犬としては前々作の時点で既に成犬だったので相当な高齢のはずなのだが、その能力は老いてなお衰えを見せない。全奥羽軍の生き残る可能性を広げるため避難経路を2手に分け、銀とは別れる。現在消息不明。
ジェロム(ジャーマン・シェパード・ドッグ)
ウィード世代の総大将の参謀となった戦士。自分の子供の一匹を連れ赤目と同じ経路で避難中、一時躊躇し妻・リディアや他の子供達の離別に取り乱したが赤目に諭される。現在消息不明。
リディア(ジャーマン・シェパード・ドッグ)
元ロシア軍用犬で現在はジェロムの妻。銀と同じ経路で自分の子供を一匹連れ避難。家族の離別の決断に関してはジェロムよりは早い決断を見せている。母親になってからも気の強さは顕在のようである。現在消息不明。
如月(きさらぎ)(ハスキー)
かつてリキ、銀の元で奥羽軍として名を馳せた「陸奥の四天王」の最後の生き残りであったが、黒脛巾組の正重一党に無念にも惨殺された。

※本作開始直後には上記のキャラ以外にも、クロス、剣、ヒロとその子供達といったレギュラー陣も登場していたが、現在は皆行方不明である。が、黒脛巾輝宗の言動からは大多数は生き延びているとのこと。銀側の群れの生存はリゲルによって確認されたが、現在人間によって小屋に囚われている。なおシルエットとして武蔵、ロケットなどの姿も確認されている。赤目側の 群れの生存は現在は不明。

黒脛巾組(くろはばきぐみ)[]

奥羽軍団の壊滅を確証し、全国制覇に乗り出した伊賀の忍犬集団。その昔伊達政宗に仕えたと言われている。雑兵の戦力ですら奥羽戦士の幹部クラスに匹敵する。正当血統種は虎犬の中型犬であり、甲斐犬ないし、(奥羽に居住していたことを考えると)高安犬と思われる。
黒脛巾 政宗(くろはばき まさむね)
現在の黒脛巾組の大殿・輝宗の長男。生まれつき顔面右部に大きな傷跡があり、それを常に布で隠している。野心家で奥羽軍にとって代わろうと決起したのも彼の差し金である。戦闘力も相当なもので、自分に無礼な言葉を浴びせた一匹の犬の首を一瞬にして落としている。
オリオンに過去の自分の姿を覚え、興味を持ち一戦交えるも、圧倒的な力量の違いを見せつけている。
喜兵衛(きへえ)
政宗の傘下の者であるが、小十郎とは懇意の仲であったために、政宗の画策で四国から故郷に戻ってきた彼らに危機的状況を知らせる。オリオン達と伊賀の滝で出会った。
黒切丸(くろきりまる)、旋毛(つむじ)、咬切(こうせつ)
黒脛巾組の忍犬軍の従臣。冬眠中の熊を狙う。真田忍軍を吸収するため、使者として接触した。
マテウス隊
マテウス(ジャーマン・シェパード・ドッグ)
政宗の重臣。ホワイト・ウルフの異名を持つ白いシェパード。甲賀の長老の住処を占拠して根城としている。以蔵と互角の戦いを繰り広げたほか、水中では彼らの3倍以上の速度で移動することが可能なほど、高い戦闘能力を有している。当初、甲賀の長老らを仲間にしようとしたが失敗している。
ブランカ(ジャーマン・シェパード・ドッグ)
マテウスの弟。マテウス軍の実質上のNO2である。マテウスがボンを甘やかすことを批判的に見ている。オリオンの抜刀牙を食らい、倒される。
軒猿
新潟県付近を根城とする勢力。当初は黒脛巾組の脅し付けにも屈することはなかったが、完全な一枚岩とも言い難く、若頭の離反を招く。その後、黒脛巾組に加担するも経緯は不明。
謙信
軒猿の頭領。政宗自ら赴いての招聘を丁寧にながらも毅然と拒否。しかし、最終的に政宗に帰順し栃木のジャック討伐隊に参加している。雲斎とは面識がある。玄内(下記参照)と戦うも敗れる。
若頭
軒猿の構成員だが、黒脛巾組につこうとする。しかし政宗から見限られ殺された。
進之助
軒猿の一人。黒切丸三兄弟を政宗のもとへ案内した。

山彦陣営[]

黒脛巾 山彦(くろはばき やまびこ)
輝宗の次男で政宗の弟。オリオンと同年代の幼犬。後継者争いで邪魔者と判断した政宗の軍に命を狙われているところをオリオンに救われ、以降は良き友情が芽生えた。強い四国訛りが特徴。
幼年期に、政宗を警戒していた輝宗によって四国の拠点に預けられることに。しばらくして、輝宗の命(実際は政宗の虚言)で故郷を訪れるが、この際に自身が政宗から命を狙われる身である事を知る。兄の愚行を感じてはいたが兄弟同士の争いを嫌い、再び四国に逃れた。
小十郎(こじゅうろう)
山彦の指南役で養父とも言える存在。四国で幼い山彦を育成していたが、前述通り山彦を連れて故郷に舞い戻った際、懇意の間柄であった喜兵衛から情報をもらい受け、現在の黒脛巾組の実態を知る。その後は山彦と共に四国へ。

真田忍犬軍[]

長野県付近を根城とし中立を保ち黒脛巾組に対しても静観していた。他民族や他軍団には不介入の慣わしがある。歴史において真田幸村との関係は今のところ語られてはいない。
真田 入道雲斎(さなだ にゅうどううんさい)
真田忍犬軍の長。仁義に厚い老犬。アイリッシュ・セッター等のセッターないしスパニエル系と思われるが、巨体である。奥羽軍の先々代の総大将・リキから援軍を頼まれたが断った経緯を持つ。一族からは「お館様」と呼ばれ慕われている。巨体に似合わぬ敏捷さを持ち、黒脛巾組の手下を一蹴する実力の持ち主でもある。
哲心が捕らえられた際、ツバクロとカワセミの二頭のみを率いて救出に成功している。
真田十牙忍衆
カワセミ
十牙忍衆の一匹。顎下に白い髭があるのが特徴。黒脛巾組の使者としてやって来た黒切丸たちと接触し応対した。しかし身重の雌熊を腹の子と共に無慈悲に殺した黒切丸たちを「外道」呼ばわりし、交渉は決裂。黒脛巾組と構える姿勢を見せた。水中戦も得意である。
ツバクロ
十牙忍衆の一匹。
天馬(てんま)
ツバクロ・カワセミと同様、十牙忍衆の一匹。
瀬津魔(せつま)
十牙忍衆の一匹。猪に襲われていた所を偶然通りかかったオリオンたちに助けられる。
小六(ころく)
十牙忍衆の一匹。

天下軍[]

天下 (てんか)
泰山付近を縄張りとする勢力の頭領。睨みつけるだけで飛ぶ鳥を落とす程の凄まじい気迫を持つ。非常に顔が濃い。
小笠原 玄内 (おがさわら げんない)
天下の腹心で、部下からは「班長」と呼ばれている。ボロネーゼ種と思われる。謙信の牙を受けても傷を受けないほど被毛が分厚く、硬い。

その他[]

長老(ちょうろう)
平造、タイソンらの属する群れの長。銀の父であるリキの世代から奥羽軍に関わっており、オリオンを一目でリキの子孫と見抜いている。単独で旅立っていったオリオンのあまりの幼さを危惧。護衛役を募り、平造、タイソンをオリオンの元に向かわせる。その後は黒脛巾組の侵略に遭い、命を落とした。
甲賀忍犬長老
マテウス軍によって住処を追われていたが、生存が確認されている。生き残りの奥羽軍を山彦の援軍として四国に向かわせ、自身は単独で挑みボンを捕えた。
黒脛巾 輝宗(くろはばき てるむね)
政宗と山彦の父で元、黒脛巾組の頭領。リゲルと逃亡生活を送りつつ、リゲルに訓練を施していた。
幼き日の政宗に非情な試練を強いるが、結果として見限り政宗に邪心ありと見て、次男の山彦を次期後継者に任命。結果、政宗によって追放されてしまう。
幼犬を黒脛巾組の兵力として育てようと企む、黒脛巾組の刺客からリゲルを逃がすための時間稼ぎとして立ちはだかるも、持病の悪化からまともに戦うことも出来ずに、刺客の一匹、黒切丸の牙によって止めを刺され死亡する。

人間[]

藤原 大輔(ふじわら だいすけ)
前々作の『銀牙 -流れ星 銀-』から登場している、銀の元の飼い主である奥羽軍の良き理解者。現在は20代の成人男性で銀、ウィードも信頼を寄せる人物。ウィードの子供達の名付け親でもある。婚約者もおり、一緒にウィードの家族を可愛がっていた。
火山爆発の災害の為に現在は仮設住宅で暮らしているが、そういった状況の中でもオリオン達の安否を常に気にかけている。
関口 秀俊(せきぐち ひでとし)
大輔と同じく『銀牙 -流れ星 銀-』から登場している人物。シリーズの年月経過から推定40代の男性。大輔が少年時代に生活していた村の村長の息子で、現在は医師兼獣医。銀の側近であったジョンの飼い主だったが、ジョンの死は把握していない。前作『銀牙伝説WEED』の終盤で生まれた、ジョンと同じシェパードであるジェロムの子供を「ジョンの子孫」と一瞬ながらも期待。その後の言動からジョンに対して未練を抱いていることが窺えた。大輔同様、奥羽軍に対して理解を示している。
黒脛巾 陣ェ門(くろはばき じんえもん)
黒脛巾政宗の飼い主である。かつて伊達藩お抱えの忍び集団「黒脛巾組」の十二代目頭領を自称している。政宗の全国制覇の障害になるために崖から突き落とされたが一命は取り留めた。

脚注[]

  1. 名前の由来はその気性の荒さから来ており、ギリシャ神話に登場する「粗暴で名狩人」のオリオンから。
  2. 当初の『銀牙伝説』の設定では、熊犬とは熊猟に適した虎毛の秋田犬とされる。父・ウィードが秋田犬である銀と紀州犬の母・桜とのハーフ、またウィードの妻である小雪もまた生粋の紀州犬であるため、オリオン兄弟は血統から言えば秋田犬よりも紀州犬に近い。
  3. 過去のシリーズでも、悪役に該当するキャラクターは、生まれついての悪としては描かれておらず、生い立ちや環境が強い悪影響を及ぼしていたという例が多い。シリウスはカマキリ兄弟にも改心の余地があると見てこういった決断をとった。

なお、menueコミックでは作者の申し出により掲載は取りやめとなった。

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